【「高知に戻りたい!」Uターンを叶えたのは広大な西山台地でのさつま芋作り】

抜けるような青空、見下ろすと海。
ここがかつて海の底にあったとはにわかに信じられません。

細松卓也さんのきんとき芋畑がある西山台地は、地震により隆起し続けた見事な海成段丘が見られる場所として、室戸世界ジオパークのジオサイトにも認定されています。

「西山台地のあっちにもこっちにも親戚から継いだ畑があります。」

同じ吉良川町といっても、伝統的建造物群保存地区に指定され、土佐漆喰の古民家が並ぶ吉良川の町並みから少し離れ北に向かい、ふもとにジオサイトの看板のある急坂の山道を登りきると途端に前方が明るくなり西山台地に到着します。

生産者のこだわり

【準備は冬から!西山台地のきんとき芋、植え付けから収穫まで】

西山台地のきんとき芋作りはまだ冬の寒い時期から始まります。ハウスで苗を仕立て、暖かくなってくるとひたすら畑に苗の植え付けをはじめます。

畑を耕し、畝を立て、マルチを貼り、苗を手植えし、そして水やり。

植え付けのお手伝いを少しだけさせていただいたことがあるのですが、一畝も終わらぬうちに膝や腰がピキピキ痛み、あっという間に根をあげてしまいました。

植えてすぐの苗はくったりとしていますが、たっぷり水をやり何日かするとしっかり根が付き青々としてきます。

そして、初春から夏にかけて、太陽をたくさん浴びて青々と茂ったきんとき芋畑。地下のきんとき芋は葉から栄養をたっぷりもらって太く育っていくのです。

【仕事の合間のお楽しみ、仲間とのウクレレ演奏】

夏の間は、卓也さんの畑仕事も少しだけペースダウン。真夏の刺すような日差しの下での仕事は熱中症の危険があるため畑作業は朝と夕方に行います。

卓也さんの趣味はウクレレ。室戸に戻ってきてから移住してきた友人達と始めました。元々ベースをしていたこともあり、畑作業の合間に練習しめきめきと上達。気の合う仲間と作ったウクレレユニット「いそもん」として、室戸市内外のお店やイベントに呼ばれ演奏も行ってます。

左で演奏されるのが、細松さん

【収穫はパラソルの下で親子の息の合った連携プレー】

夏も中盤を過ぎると、いよいよ西山台地のきんとき芋の収穫が始まります。春にひたすら植えたきんとき芋を、今度はひたすら掘り続ける作業。収穫作業は卓也さんのご両親と3人でタッグを組んで黙々と行います。

一つのコンテナに20kgのきんとき芋。年間の出荷量は50tにもなります。まさに!芋だらけの日々。

【死ぬまで西山台地で農業をしたい】

東京ではシステムエンジニアをしていた卓也さん。主にプログラミングを仕事としていたそうです。14年ほど東京で暮らした後、「もう東京はいいかな、高知に戻ろう。」と思った卓也さん。高知での仕事を考えた時、親戚の畑が西山大地をはじめ吉良川町にたくさんあり農業という選択肢が生まれたそうです。

「農家は楽しいですか?」

と尋ねると

「楽しさ半分、辛さ半分。正直、サラリーマンに戻りたいと思ったこともあります。」

素直な答えが返ってきました。就農して6年、新聞やテレビの取材依頼も増えました。トークイベントでご一緒した時、卓也さんに

「目標を聞かせてください。」

という質問が会場のお客さんからでました。

「西山を荒らしたくないんです。西山でずっと農業が続けていけるように、死ぬまで西山台地で農業ができるようにが目標。」

西山台地への愛。帰ってきた室戸で、しっかりと西山台地に根を張ろうとする卓也さんのゆるぎない心構えが伝わってきました。

【貯蔵庫でじっくりと甘みを増した西山台地のきんとき芋、化粧直しをして出荷へ】

収穫後のきんとき芋の貯蔵庫を見せていただきました。貯蔵庫は年間を通して12、3℃の気温が保たれ、暑くなり過ぎる日はクーラーを入れるそうです。収穫した西山台地のきんとき芋は、保存されている間に糖度が上がっていきます。掘ってすぐ!より少し寝かせた方がさつま芋は美味しくなるそうです。

そしてひげ焼き機!

皆さん、収穫風景の写真のきんとき芋と、普段スーパーで見かけるさつま芋、何か違うと思いませんか?

答えは「ひげ」!

収穫した西山台地のきんとき芋には毛細血管のような細かな根がひげのようにたくさんたなびいています。

「ひげはどうやって取り除いてるんですか?」

「これはですね、焼くんです!」

「焼くっ!?」

まるでカツオの藁焼きタタキを作る時のように、豪快な炎でひげが焼かれ、つるんとした肌となってコンテナへと転がり落ちていきます。

きんとき芋には毛細血管のような細かな根が。まるでひげのよう

これぞ焼き芋!(ちょっと違いますか….)

オススメの食べ方は定番の焼き芋。でも芋天に芋ようかんやスイートポテトも美味しい!

卓也さんの西山台地のきんとき芋のセット。ぜひお家でたくさんのお芋スイーツ楽しんでみてくださいね!

この生産者の商品

細松さんのさつまいも(金時)500g(25本前後)【上品な甘さと程よいホクホク感】
3,519円(税込3,801円)

室戸市を代表する特産品。色鮮やかな赤色と上品な甘さが特徴です。 金時は、昔懐かしいホクホク系の代表的な品種のさつまいもです。ホクホク系ですが、西山台地のさつまいもは、程よい水分と上品な甘さがあります。