室戸ジオパーク推進協議会

【アンテナを張り巡らし生産者とお客さんをつなぐ、キラメッセ室戸松澤彩折さん】

室戸を発信するアンテナショップとも言えるキラメッセ室戸、その中でも野菜や魚を始めとする室戸の新鮮な産品が購入できる「楽市」はいつ行っても駐車場に車を停めるのに苦労するほどの人気の施設です。

そんな「楽市」の責任者でもある松澤彩折さんは、吉良川町の西山台地の出身。室戸ユネスコ世界ジオパークの特徴でもある見事な海成段丘で成り立つ西山台地は、室戸の野菜や果物の一大生産地でもあります。

「室戸でも西山の山育ちなんですけど、海のそばのお家にお嫁にいったんです。最初は海鳴りにびっくりしちゃって眠れませんでした。」

そんな彩折さん、キラメッセ室戸での勤続年数を聞いてびっくり！
「一週間、お手伝いだけのつもりで入ったら、気づいたら２６年も経っちゃって。。。」

【オープン当時の名残を残す緑の柱、始まりは露店市】

「この緑の柱あるでしょう？昔はこの柱の所からシャッターをガラガラ開けて露店みたいに販売してたんですよ。面白いでしょ？楽市は２回リニューアルしていて、増築を重ねて、今のお店になったんです。」

懐かしそうに柱を眺める彩折さんに仕事をしていて良かったなと思う時を訪ねると、

「あの野菜美味しかった！とお客さんに言われたら本当に嬉しくて。自分が作ったわけでもないのにそうでしょそうでしょ！って嬉しくて生産者さんにもお伝えするんです。」

「ここで事務をしている時も、常に耳をすましてお客さんが何言いゆうがかな？って実は聞き耳を立てています。お客さんの声や求めゆうことに応えられるよう、常にアンテナを張り巡らせるようにしています。」

【張りめぐらせたアンテナと常に行うフィードバッグ、OODA最前線の現場】

「例えばお客さん同士が、こんなぎょうさん入ってても使い切らんわねぇって話していたら生産者にもう少し量を少なめに袋詰めして売ってくれるよう相談します。お客さんの声を一番に生産者につなげる。楽市でお客さんの声を止めてしまったらそこで終わってしまうし店のためにもなりません。伝えて改善していくことでお客さんも増えて、店のため生産者のためになっていくので常にアンテナを張っています。」

「常にアンテナを張り巡らすこと。」

今回のインタビューを通し、何度も彩折さんが語った言葉です。アンテナを張り、お客さんのニーズを分析し、それに応じた対応を生産者に要望し改善する。今のキラメッセ室戸が存在すること。売り場のあちこちにある野菜の食べ方が丁寧に紹介されたポップや案内でうかがい知ることができます。

【旬のフルーツをそのままの味で！人気のジェラートへのこだわり】

楽市の隣にある食品加工場にも、特別に見学させていただきました。ちょうどジェラートが出来上がり、取り出すところに遭遇！

ジェラートの機械にはこだわっています。東京や大阪のメーカーの展示会に何度も足を運んで食べ比べをして。空気の入り具合で舌触りなど全然変わってしまうんです。この機械、ちょっとした外国の高級車が買えちゃうくらいのお値段なんですよ。使い方を学ぶため、メーカーの取り扱い研修にも行きました。」

自慢のジェラートはオンラインショップでもご購入いただけますが、室戸の藍のパウダーをねりこんだジェラートなどフレーバーもオリジナル。この日は柑橘のジェラート作りの準備もされていました。

「この機械、素材そのものの味が直接出るんです。野菜やフルーツを使ってたくさん試作と販売を重ねてきました。旬の美味しい時期に美味しい材料を使って作らないとだめなんです。同じ素材でも旬から少しでもずれると分量を同じにしても味が変わってしまうんですよね。」

お話を聞く間にも、お客さんが次から次へとやってきて彩折さんがテキパキ笑顔で対応します。

室戸で暮らしていると、季節ごとのさまざまな食材の豊かさに本当に驚きます。旬を追いかけていれば間違いない食生活を送れるとも。ただ、それぞれのお野菜に旬は一斉にやってくるので、生産者の委託販売を行うキラメッセ室戸では、売り場が旬の同じ種類の野菜で溢れてしまうことも。

「加工場ができたことで大きく変わったことがあります。なんと言っても野菜のロスが減りました！」
大量に入りすぎた野菜や売れ残った野菜は、お弁当やお惣菜の加工品に変身！

「お弁当でもジェラートでも、ハネモノ加工ができるようになりました。生産者が困っていたら積極的に声かけして買い取っています。」

ご存じでしたか？東京にある全国の地場産品のアンテナショップ「むらからまちから館」で、なんと長年売上一位を誇るキラメッセ室戸の野菜。ふるさと納税の返礼品でも「室戸びと、進む」オンラインショップでもキラメッセ室戸の野菜セットは大人気商品です。

発送に携わる野菜の目利きは彩折さん含め三名で担当しています。

「旬のもの、新鮮なもの、色合いや、根菜、葉菜のバランスを大切に選んでいます。旬が過ぎて弱ってきている物は入れません。西山台地のさつまいもは必ず入りますね。」

【キラメッセ室戸でいつまでも働き続けたい！目指すはキラメッセ室戸３０周年！】

お話を聞いてる間も、ずっとニコニコ笑顔で楽しげな彩折さん、

「私、本当にキラメッセ室戸が大好きなんです。スタッフにもアイラブ楽市って言い回るくらい。キラメッセ室戸に骨を埋めるつもりです。ただ最近生産者さんが、だんだんと高齢化で少なくなってきていて。キラメッセ室戸は生産者さんがあって初めて成り立つ場所なので、IターンやUターンで新規就農する若者がもっともっと増えてくれればと思ってます。そして、キラメッセ室戸の３０周年イベントはぜひ盛大にやりたいですね！」

これからの進化がますます楽しみなキラメッセ室戸の新鮮野菜、ジェラート、さつまいもは室戸びと進むオンラインショップからご購入できますよ！